みずものココロ

こんにちは。福岡県糸島市在住。時々千葉に出没します。20年以上グラフィックデザイナーをやっています。来年度から実家の事業継承いたします。日々の思いの本音の本気を綴っています。

初出荷と事業継承

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榊畑の最初

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榊の最初2

父が亡くなり、農地を相続しました。
・・・ですが・・・今まで毎月帰省しては農作業を手伝っていたくらいで、実際の農業経験はほとんどありませんでした。
しかし不思議なもので、いざ相続して自分名義になった途端、土地への愛情が芽生えて参りました。

そこには、生前父が榊を植えて、そのまま25年くらい放置しているのだそうで・・・。
全様を見るまで、正直おっかなびっくりでした。

コンテナにノコギリとハサミを入れて、土地に踏み込んでため息・・・。
どこから手をつけて良いものかと途方に暮れました。 まだ存命の母は「あの土地は開拓が大変だから買い手があれば手放した方がいい。今欲しいと言って来てる人がいる」と、持て余しているのは確かでした。 
でも私は手放す気がありませんでした。買い手があると言っても「あんなに荒れさせてたらもう手放した方がいい」とその業者が言ったおかげで私の心に火が点きました。

「あなたには絶対売らない! 手放す気はない!」

そう言って業者の男性二人を追い出してしまいました・・・。
つい口走ってしまったからには、手をつけるしかない・・・。

この荒地に対して、自分が使える物はノコギリくらいのものでしたが、どこから湧き出た自信なのか「これを出荷して家計を助ける!」と、きれいに店頭に並ぶ榊の姿がはっきりと浮かんでいました。※上の写真は最初に挑んだ竹切りと草を引き抜くだけの作業。

その気持ちを、まず身近な友達に伝えました。それから同級生に配信しました。
その気持ちを汲んでくれた同級生が3時間くらいで、草刈り機とチェンソーを使って切り開いてくれました。 本当に榊が見えた時は感動しました。
榊は太陽が降り注ぐ場所が苦手なので、鬱蒼と茂っているから生き残れていました。

それからとても大切なのは、ほぼ毎週農作業のお手伝いに来てくださる、私がもっとも尊敬する30年来の友達の存在です。この人がいなかったら、先祖からの尊いプレゼントを喜べなかったと思います。
彼が雨水で通れなかった道を整備してくれて、奥まで軽トラが入るようになりました。

荒地と化した土地と、根拠のない自信と、過程をすっ飛ばした商魂。

根元に追肥をし、枝を整えたり、手入れを頑張ったおかげで、今では立派な「榊畑」に変貌。

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現在の榊畑

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出荷した榊

今日の3月31日天赦日に最初の出荷を終えました。(神棚には一日と十五日にお供えします)
きれいどころを選りすぐり、初めてのお嫁入りを終えました。

農業はとても奥深いです。これからも大変なことも苦しいこともあるでしょう。
でも、今日のこと、これまで頑張ったことを思い出して乗り越えていこうと思います。

明日の4月1日に、親からの事業継承をいたします。
今後とも、よろしくお願いいたします。