みずものココロ

こんにちは。福岡県糸島市在住。時々千葉に出没します。20年以上グラフィックデザイナーをやっています。来年度から実家の事業継承いたします。日々の思いの本音の本気を綴っています。

自家増殖自家製採種禁止法案について

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「自家増殖自家製採種禁止法案」がnetで騒がれていました。
なんのことだろうって思い、調べてみたことを書きます。

私は現在、福岡県糸島市で農業に従事までは行きませんが、農地を使っての耕作と事業を考えています。この話は他人事ではなく、知らなくてはいけないことでした。
そのため、私も昔、学校で植物を専攻していた経緯もあり、また、有識者の情報も得て書いておりますことをご了承ください。

 今回の法律は、「種苗法違反」ってので、結構厳しい内容ですが、そこまでして農家が農作業で今まで当たり前にしていたことを止めるってどういうことだろうと思いました。 しばらく農業自体から離れていましたが、これは意味があるはず・・・と思い調べてみました。なんか、「遺伝子組み換え」と同列の解釈をされている気がしましたもので・・・。

特に「F1」と言われる種からできた植物にに対しての「誤解」と言いますか「デマ」について話したいと思います。
まず、「F1」という種を使って植物をそだてたら、「種ができない」=「人間が食べたら『子種ができない』」は、大きなデマ。

 

F1という「種」は、豆で例えると、品種の異なる豆同士を交配してできた植物の種です。
だから、ちゃんと、種はできます。※雑種1代目

F1から種ができたら「F2」※雑種2代目・・・この時から、約1/4〜5 くらいの割合で、「先祖返り」が起こり始めます。

F2から採れた種は、「F3」雑種3代目の頃には、かなりばらつきのあるものができます。農家としたら、生産性がありません。

F1種から種が採れないのではなく、「良い種が採れないよ」が一人歩きして、「種が採れない」⇨「子種ができない」⇨「きゃー、怖い!」になってるようですね。

この法律ができた背景があります。

「育成者権」っていうのがあるんですが、種の研究開発をした人の「特許」です。

研究者(研究機関や大学等)が一生懸命、時間と知識を費やして交配を繰り返して安定した種を作っていきます。だから、お金が採れます(*^^*)

何が一番悪いかってところですが、「人に譲る」「海外の持ち出す」ってことです。そこを厳しく罰してるんです。 日本独自の研究開発が脅かされるのを懸念しての法律です。

日本の生産物の種子を一括管理することで、他国での流出を防ぎ、ブランドを確保って考えなのではないかと思いました。

日本産のブランド牛の凍結受精卵を海外に持ち出そうとして逮捕!って話が最近ありましたよね。それと同レベルの扱いが野菜にも施行されたという解釈に至りました。

だけどね、元々あった品種(在来種)は種を採取して植えても良いらしいです。
交配して、独自の野菜を作ってもいいんですよ。

でも、人にあげたらダメ! 自分の家だけで栽培して、うまくいったら「こんなんできまして美味しいです。私ブランドで売りたいです!」って特許申請を
したらいいんです。

しかし今では、「在来種」という種を大事に植えては種を取るところは研究機関でない限り無いそうです。ですから自宅交配で特許に結びつくことは難しいとの見解でした。(ここ数十年の間に消えて行きました)

参考サイト:http://xn--m9jp4402bdtwxkd8n0a.com/column-40-11593.html
http://nou-ledge.com/2018/06/08/180608_seed2/
取材協力:糸島市JA職員 (著者の友人・農学部卒)


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次回は「種なしぶどう」などの「種なし」についてお話ししたいと思います。