みずものココロ

こんにちは。福岡県糸島市在住。時々千葉に出没します。20年以上グラフィックデザイナーをやっています。来年度から実家の事業継承いたします。日々の思いの本音の本気を綴っています。

種無し果物の話

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一般に「種無し」の果物って、強烈なホルモン剤とか、染色体の操作とか細胞レベルで薬剤なんか使ってなくしちゃってるんじゃない?
それを食べたら、危険じゃん!子種なくなるし、不妊にもなっちゃうにちがいない!

って思いますよね。これって、消費者の立場だとっても怖いと思うんです。

でもね、「美味しいんだけど種が邪魔なのよね」とか、一度でも思ったことありませんか? そういった、消費者の声を聞いて、研究開発が進んだんです。
曲がったきゅうりは昔は売れなかったから、廃棄されました。
傷がついた野菜や果物も売り物になりません。 売れませんから廃棄処分され、市場に出すことが禁じられていました。きれいで形が良いものを消費者が望んだからです。
農家は曲がったものでも味に違いが無いので、自分の家で消費していましたが、安定して形の良いものを作らないと生活が成り立たないので、「F1」という種が開発されました。しかし、F1が種無しとか、できた野菜が奇形だとか、そんなことはありません。


前回にも書きましたが、F1で作った野菜からできた種は、「先祖返り」をするので、良い種ができない・・・それだけなんです。

さて、最近、果物に種がなくなってるものが多くなったでしょ。
これは「交雑(遺伝的組成の異なる2個体間の交配)」で、できます。

染色体の数は普通は偶数で種を持ちますが、たまに偶然に奇数ができることがあります。これは、大抵の場合種を持たないので、「種無し」になります。
人工的でも可能で、2倍体と4倍体を交雑すると3倍体ができるそうです。
それでできたのが「種無しスイカ」です。
自然にできた例は「バナナ」です。バナナの原種は種を持っていますが、突然変異で種が無いものができ、1万年前くらいから人間の関与で、種無しが集められて今のバナナができたと言われています。
種の無いバナナは挿し木、葉挿し、株分けで子孫を増やすことができます。
バナナを毎日1本食べていて、子供に恵まれなかったって聞いたことありません^^;
バナナで問題があるとすれば、日本では今の所、輸送の際の農薬の事くらいかなと思います。

他、「種無し」で代表されるのは「ぶどう」ですね。
ぶどうは、栽培(生育)の段階で「ジベレリン」などの植物ホルモンを使用して種を消しますが、植物ホルモンは、植物自体が持っているものなので、危険といわれている環境ホルモンとは全く違うものです。※日本で開発されました。

 日本は、化石燃料などは持っていませんが、「知的財産」をたくさん持っている国です。ノーベル賞を始め、世界に誇れる知識を持つ、誇り高き民族です。
そんな日本が、お金儲けのためとはいえ、日本人に害を及ぼす食べ物など作るわけが無い。私も農業家の端くれとして、誇りを持って植物を育てています。

 どうか、Netで流れる情報を、そのまま鵜呑みにせず、自分で調べてくれませんか?
スーパーに並ぶ野菜は、農家が一生懸命丹精込めて、みんなの笑顔を引き出せるような食べ物を作っているのです。(少なくとも私はそうです)

よく無いんだってね! 危険なんだってね!と騒ぐ前に、それは本当に正しい情報かを、自分の感覚で確認してください。 よろしくお願いいたします。